最近会社であった、今後の評価をどうしていくかという話と、
それを決めていく上であった同調圧力の問題について書きます。
評価と1on1
去年の年末、VP of Engineeringの私が1on1を行いました。
それぞれのメンバーの今年どうだったか、来年はどうしてほしいか、
ということを話しました。納得感を生むために、何回も面談した人もいました。
ふりかえって2018のスタイル
今年からは、このような活動をすすめており、その中で
そもそもオレ(VP)が全員とまた1on1やるの、なんか違くない?SPOFちゃうん?
という疑問が湧いたので、どうしたら良いか仲間に聞きました。
1on1からの脱却、どうするか
VPがそれぞれのメンバーと1on1して評価、給与を決めるのをやめるにあたって
どうやって進めるのがいいか、という課題がありました。
その課題について
- 給料を知っているのはVPだけ
- どの人がどのグレードかもわからない
- グレードがわからないので多面評価できないのでは?
という懸念が出てきた結果、
「グレードの公開をするべきか、しないべきか」
という議論が発生しました。
私はうれしくて、ニコニコしながらその光景を眺めていました。
個人的にはグレードの公開はまだ早いな、と考えていたいので、
この議論が起こること自体がとてもうれしく、また、なやましくありました。
グレードの公開で解決できたもの、できなかったもの
みなさん、グレード公開しちゃっても良いですか?イヤな人がいたら
SlackのDMでもトイレで相談でも廊下でも給湯室でもどこでも良いんで言ってください。
と伝えた上で、1週間ぐらい様子見て、特に反対意見が出てくることも、
批判的な声も聞こえなかったのでなかったので公開しました。
しかし、給与レンジを公開したところで、下記のような問題が残りました。
- グレードAだが、給与レベル的にはほぼBの場合の評価の仕方をどうするか
- グレードを上げたいけど今いくらもらっているのかわからないと評価しづらい
という課題が出てきました。この課題に対してはかなり多様な意見はあったものの
まぁ公開しても大丈夫でしょう、という内容が、その時の議論の終着点でした。
ただし、全会一致、全員でヨッシャやるぞ!という雰囲気ではありませんでした。
給与公開するか否か
結論としては、給料は公開せんでもいいでしょ。
と、オレ(VP)がして、一旦この話題は終わりました。
理由としては、公開する実験をしても良かったのですが、後戻りがしづらいのと、
一部の仲間の意見が色濃く出てしまっていたので、一旦ナシにしました。
また、グレードを公開した状態でもう少しいろいろ試行錯誤しながら進めてみて
やってみた上で、また判断しても良いかなと。
急ぎでやるにはあまりにもハイリスクローリターンだなと。
民主主義と同調圧力
この話題が終わった後に、ボソっと1人から
「給料を公開するかどうかとか、そんなことを聞かれても困る」
という話がでました。
偉い人たちから、これどう思う?って聞かれてところで
既成事実としてやる前提に聞こえるし、そこで意見を言うこと自体がつらい。
とのことでした。
それって文化祭が終わってクラスのメンバーでカラオケ行こうよ、
って誘われている圧力と一緒か?
と確認したところ、同一とのことだったので、
会議でワオワオ*1していた仲間と私は深く反省しました。
民主主義の限界
組織がいくらフラットでオープンでいるつもりでも、
多様な意見を求めているとポーズは取っても、
結局その文化や土壌がない中で、民主主義を声高に叫んでも意味がない、
ということを改めて理解しました。
もちろん、そもそも全員の意見を取り入れることが目的ではないにしろ、
多様な意見をどうすれば言えるようになるのか、その答えはまだ見つかっていません。
ただ、ないからと思考停止するつもりはなく、また今後、
文化祭の打ち上げのカラオケハラスメント的な同調圧力にならないよう、
どうすれば多様な意見を集められるか、試行錯誤しながら進んでいきます。
これから
今回は、1人の意見が、全員にとって
本当によかった、ありがたい、という空気になりました。
過去の大戦を振り返っても、全員が同じ方向を向いている、
向かざるを得なくなっている組織ほど脆いものはありません。
いかにそれぞれの意見をぶつけられるようにしているか
他の組織はどうこの課題をクリアしているのか、多様な意見の集め方、
心理的安全のある組織のつくりかたなど、みなさんの知見を知りたいところです。