保育園と子どもの成長

hitomedia アプリエンジニアの arata です。
入社してから約3年が経ちますが、社外でのプロジェクトや産休・育休期間があり、今年が本社勤務1年目でした。

hitomediaアドベントカレンダーの4日目の記事を担当します。 adventar.org

私は年始に起きた緊急事態とそれを共に乗り越えた子どもの成長について書きます。

突然の保育園難民

年明け早々、箱根駅伝も終わりそろそろ仕事モードに頭を切り替えるかと思っていた頃のことです。
突然母から「外出中に突然倒れて救急車で運ばれちゃって、緊急入院しました。」というような内容のLINEがきました。
突然の連絡にとても驚きましたがどうやら容態は重くなかったようで一安心したのもつかの間発覚した大問題。
1歳半の子供の預け先どうしよう・・・!!
我が家は保育園には通わず日中は私の母に預けて仕事復帰をしていたのでした。

1月という最悪の時期

保育園事情を全く調べていなかった私は、必死に情報を集めました。(私は横浜市に住んでいます)

認可保育園は4月に一斉入所となるため、1月から途中入園することはほぼ不可能です。
ひとまず認可保育園は見学と申し込みをするとして、今緊急で必要なのは3月までの預け先を確保すること。

どうやら認可保育園では一時預かり保育をやっている園があるということで、通えそうな園に片っ端から電話をかけました。
ところが・・・
「希望者が多いのでお申し込み頂いても1ヶ月に1日預かれるかどうかという状況です」
「希望者が多いので新規申し込みを中止しています」
「リフレッシュ預かり保育でよろしいですか?」
・・・いやいやいや、そういうことじゃない。
1ヶ月に1日のリフレッシュ目的の保育をしてほしいわけじゃない。
藁にもすがる思いで申し込みましたが、あっけなく落選しました。

次に区が入退園を管理している認可保育園ではなく、園に直接申し込みができる横浜保育室や企業提携型保育園、認可外保育園にも片っ端から電話をかけました。
横浜保育室・企業提携型保育園はどこも空きがなくほとんど見学すらさせてもらえないという状況。
認可外保育園なら空いているかと思いきや、通える地域の施設は少なく、さらに見学をしてみると預けても大丈夫だと思える施設に空きはありませんでした。
あとで気づいたことですが、認可保育園に入るための点数稼ぎとしてこれらの園に入園させることが多いようで、 1次募集の締め切りである11月にはすでにどこの園もキャンセル待ちの状態になるようです。(私の推測です)

区役所の窓口に相談に行くも、私が手を尽くして電話をかけた施設のリストを見せられるばかりで何も解決策はなく、 ニュースで話題になっていた「保育園落ちた」のママたちと同じ気持ちでいっぱいでした。

約2ヶ月の保育ジプシー

途方に暮れていた私を救ってくれたのは横浜子育てサポートシステムでした。
講習を受けた地域の方がボランティア価格で子供を預かってくれるというシステムで、急いで事務局に連絡をし申し込むと通常2週間ほどかかる登録手続きと預かり提供者とのマッチングを超スピード対応してくださり、1月後半の週から預かってもらえることに。
ただしこれは一般の家庭のお母さん方がボランティアでやってくださっているわけで、1日8時間週5日でお願いできるようなシステムではありません。
預かり時間も2時間程度の利用が多いようでしたが、なんとか3〜5時間預かってくださる方に出会い、4〜5人の方に代わる代わる半日ずつお預かりを依頼することになりました。
※この間ずっとリモートワークで、月1出社というような状況に

これまで私の母にしか預けられたことがない子どもは、やはり最初は大泣きしました。
おもちゃと子どもがたくさんいる行き慣れた児童館での預かりだったのですが、数回のうちはずっと抱っこ状態だったそうです。
ところが1週間もすると好きなおもちゃで遊んだり、お迎えのときは泣かずに帰ってこられるまでになりました。

預かり提供者のご自宅で預かってもらうこともありましたが、しっかり遊び持たせたお弁当も食べ、3月末には楽しそうに出かけて行くまでになりました。
子どもの順応能力はたいしたものです。

やっと見つかった保育園

2月中旬、申し込んでいた4月からの認可保育園2次募集の落選通知が届きました。
しかし問い合わせていた認可外保育園の1つから「認可保育園に移る子がいるので4月から受け入れ可能ですよ」というありがたいお返事が!!!
正直ここに入れなければ衛生的に他に預けられる認可外保育園はないと思っていたので、本当に本当にありがたいお知らせでした。

やっと見つかった保育園は、なんと英語ネイティブの先生もいて日常会話を英語で行うところです。
言葉もまだ話さない1歳10ヶ月の子どもなのでまぁ英語でも日本語でも大差ないだろうと思っていたのですが、なんと預けた初日から大泣きして2時間の慣らし保育がギリギリといった状態。
あんなにいろんな人と場所に預けられていた2ヶ月間はなんだったの??という変わりっぷり。
慣らし保育が終わり10時間預かりに移行したあとも、しばらくは迎えに行くと大号泣という日が続きました・・・。

そして現在

GW明けの頃には泣くこともすっかりなくなり、日々保育園から送られてくる写真の中にも笑顔が見えるようになり、今ではすっかり先生を困らせる甘えんぼな悪ガキへと変貌しつつあります。
2歳を超えてから言葉をたくさん話すようになったのですが、日本語はもちろん英語もたくさん覚えているようで、モノの名前を日本語と英語どちらも言えるようになったりしています。
驚くべきは、日本語と英語の違いが分かっているようで日本語で「これなに?」と聞くと日本語で、同じものを英語で「What's this?」と聞くと英語で返すこともできます。
文字に至ってはひらがなより先にアルファベットの大文字を読めるようになってしまうほど。

晴天の霹靂とも言える出来事からおよそ1年、人見知りもなくなり凄まじい成長を見せる子どもを見ていると、何事もチャレンジしてみないといけないな、と思わずにはいられないのでした。

最後に

突然勤務状況が不安定になった私が今でも働けているのは職場の理解とサポートがあったからでありとても感謝しています。
今でも子どもの通院や家事育児仕事の両立ができているのも気兼ねなくリモートワークの働き方ができるからだと思っています。
そしておもしろい人が多い会社だと思います。
どんな会社か気になった方は下記のリンクもぜひご覧ください。

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リモートワークで家族との時間を増やした話

フロントエンドのエンジニアやってます。eedamame です。

hitomediaアドベントカレンダーの3日目の記事です。 adventar.org

ヒトメディアは id:kenjiskywaker が校長になったように、思いもよらない方向に話が転がってプロダクトを作っていける環境。
そんな中でも私はそういったプロダクトをやる、強い思いのある人に協力することが好きなタイプです。 blog.hitomedia.jp

家族は妻と4歳の子供がいて、妻は出産後もフリーランスでバリバリ働いているのですが、家族とはお互いにやりたいことができるようにサポートしあいたいと思っていても、平日の子育ては妻に頼りっきりになっているのが引っかかっていました。

そんな話を昨年末の1on1で話をしていると会社としてもいろいろな働き方にチャレンジしていきたい、という話を出たこともあり、2018年は本格的にリモートワークを実践していくはじめの年となりました。 blog.hitomedia.jp

こういった形でリモートワークを実践してるという話と、どんな課題が残っているか、1年の振り返りとしてまとめてみたいと思います。

家族との時間を増やす、家族の負担をへらすためのリモートワーク

業務開始〜午前中

リモートワークとあわせて、フレックスタイム制になりました。 コアタイム11:00〜16:00、昼休憩の1時間を含めての9時間勤務。

私の場合、朝8時に子供を保育園に送っていって、戻ってきて8:30〜業務開始。 勤怠管理システムがslack対応しているので、スラッシュコマンドで打刻。他のメンバーに対してこれからやりまっせ〜のお知らせになって良い感じ。

多摩地方に住んでいる私は通勤に使っていた片道2時間弱を節約できるのはかなり大きくて、頭のすっきりしている午前の時間を多く取れるのはメリットのひとつでした。
午前中は手を動かすことよりも、頭をつかうタスクをやるようにしています。

ランチ

妻はフリーランスで自宅で働いているので、リモートワークの日は二人でランチを食べます。
ふたりとも実家が関西で親に預けたりすることもできず、子どもが生まれてからふたりっきりの食事はほぼなかったので、思わぬところでふたりの時間がとれたのはとても良かったです。

午後のタスク

午前と変わって、手を動かすタスクメインでディープワークするようにしてます。
業務終了が他のメンバーより早くなるので、もらったPull Requestは早めに返すようにしたり、他の人の手がとまらないようにというのは結構意識しているところ。

業務終了

Slackのコマンドから打刻して、17:30業務終了。
リモートワークの日は17:30に必ず仕事を終えるという自分ルールを課しています。
他のメンバーからの連絡は来ることもあるので、その都度明日以降にするか相談したりどうしても難しい場合は家族に相談したり。
まだ細かいコミュニケーションは対面のメリットを感じることも多く、できるだけ出社日に調整するようにしています。

家族との時間

みんなでごはん食べたり、子どもとお風呂入ったり、遊んだりしつつ、21時ごろに子どもと一緒に就寝...
寝かしつけた後、起きて自分の時間作ろうとか思ってましたが、まず起きれない...
ですが、しっかり睡眠時間取れることで、日々の集中力が上がった気がしています。思わぬ副産物!

1年間続けてみて

もともと通勤時間が長いせいもあるのですが、こんな感じで私はかなり満足度が高く続けられています。 もちろん個人のメリットばかり考えて業務が回らないのでは意味がないので、日々改善の最中です。

  • 体調悪いからリモートワークします〜ではなくちゃんと休んで🙏
  • テキストで説明するのが難しい、時間がかかる場合でも、ちょっとしたことで電話(slackコール)するのは気が引ける... という人が思いの外多かったので、相手側からしてもサクッと終わったほうがメリットあるので気にせずコールしましょう!と明文化した etc...

これからの課題

  • 細かく管理しようとせずにリモートワーク中の業務のやり方とかは個々人におまかせの状態ですが、結果としてうまくいっています。ただ、もしまだ時間管理に慣れていない新卒社員などがどんどん入ってくる環境だと、もっと仕組みが必要かも。
  • 1つのプロダクトをみんなで作っているという会社ではなく、コンテキストの違う複数プロジェクトに関わることが多く、プロジェクトの説明などをするには対面のほうがやりやすいと感じる場面が多く、フルリモートワークでやっていくにはまだ試行錯誤が必要そうです。

hitomediaでは、環境が整えばもっと良い仕事できるのに!そういった仕組みづくりも含めたデザインならまかせろ!というデザイナー・エンジニア募集していますので、興味あるかたはぜひ 🙏

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サーバサイド研修カリキュラムの取り組み

hilotterです。

hitomediaでは今年、サーバサイド研修カリキュラムの一環として株式会社万葉さんで実施されている新入社員教育用カリキュラムに取り組みました。

本記事では、研修カリキュラムの取り組みについてご紹介したいと思います。

  • 研修を始めたきっかけ
  • 研修の意図
  • どういう風に進めたか
  • やってみて良かった点
  • やってみての課題
  • 今後

研修を始めたきっかけ

これまでは中途入社のエンジニアが多かったため、プロジェクトに入ってOJTで学ぶというのが基本になっていました。

ただ、OJTの場合プロジェクトによって教える内容がバラバラになってしまうという課題がありました。

最近は若手エンジニアが増えてきたこともあり、サーバサイド研修カリキュラムを用意したいと考えていたところ、万葉さんが新入社員教育用カリキュラムを公開してくださり、こちらを弊社でも活用させていただくことにしました。

弊社のサーバサイド技術はRuby on Railsのプロジェクトも一部あるものの、過去から続いているプロジェクトではPHPを使ったものが多いです。

「じゃあなぜRails研修を?」と疑問を持たれると思いますが、

  • 研修を通じてテストを書く、レビューをする、というチーム開発の基本を学んでもらいたい
  • el-trainingはチーム開発の基本が網羅されており理想的なカリキュラムとなっている
  • チーム開発の基礎が一通りできれば、PHPプロジェクトに入ったときも学習しながらやっていけるだろう
  • 今後はRailsプロジェクトを増やしていきたい

という観点からRailsで研修を行うことにしました。

参考:「A Training System of Ruby Programmers / Rubyプログラマが育つ仕組み - Rubyでの受託開発を10年回してみて - - Speaker Deck

研修の意図

「研修を受けた人は、次のカリキュラム受講者のメンターになる」という学びのループを作ることで、一緒に仕事をする仲間の成長にかかわっていけるようにしたいという意図で始めました。

どういう風に進めたか

  • まずは有志メンバーで集まってカリキュラムを実践(メンターを増やす)
  • 効果が見込めそうなことが分かったので、エンジニアチーム全体に広げいてくことに
    • 新入社員は入社後にまず研修をやってもらう
    • 既存メンバーは空き時間に進めてもらう

やってみて良かった点

  • 研修を終えてRailsプロジェクトに参加したメンバーが即戦力として活躍できている
  • 若手メンバーがRails以外のプロジェクトにもテストを導入したり、周りを突き上げる動きをしてくれている
  • 教える側のメンターも分かっていたつもりになっている部分を見直せて成長できる

やってみての課題

  • 新入社員は研修を終えられたものの、エンジニアチーム全体に広げていくことはできず
    • 最初、目標期限のみを決めて「各自で時間を作って進めてください」という進め方をしたが、一部メンバーのみしか進まず
    • その後、週一で集まる時間を設けペアを組んで進めてもらうようにしたが、既存プロジェクトの忙しさもあり、徐々に集まるメンバーが減っていく結果に
  • 普段PHPを使っているメンバーのモチベーション維持の難しさ
    • 研修を終えてもすぐにRails案件に移るわけではないので業務での実践の場がない

今後

私の進行が悪く、いきなりエンジニアチーム全体に導入することはできなかったですが、新入社員研修カリキュラムとしては非常に良い結果をもたらしてくれました。

今後も新入社員研修としてカリキュラムの実践を続け、研修を受けたメンバーが次のメンターとして活躍できる流れを作っていきたいと思います。

この場をお借りして、素晴らしい研修カリキュラムを作成いただいた万葉の皆様に改めてお礼申し上げます。ありがとうございます。

エンジニアからプロダクトオーナーへの道

id:kenjiskywalker です。

zero-ko.com

という学校の代表をしています。

代表になった背景

ヒトメディアという会社の特徴

もともとヒトメディアの社長、通称「もりたま」さんは投資家であり、
様々な事業に投資をしている人です。

ヒトメディアのエンジニアが関わっている案件も、元々は
投資案件としてはじまったものも数多いです。

その中で、偉い人から決まったものが落ちてくるのではなく
プロダクトをつくりにいくところから関われる機会も少なくないです。

エンジニアリングだけをしたい人は、もう少し細かいことが決まった状態でもってきてよと思い、
プロダクトを一緒につくりたい人は、面白いと思う環境、
それがヒトメディアです。

何をしているのか

息子が3歳ぐらいになると、色々な質問をしてきます。

「なぜ空は青いのか?」「なぜ雨は降るのか」

本質的な質問が多いので、知らないものはきちんと調べて答えていました。

そんなある日、息子が

「仕事に行って何をしているのか?」

ということを聞いてきました。
私はその時に答えることができませんでした。私は一体何をしているんだ?と。 一週間ぐらい悩み続け、出した答えは

「たくさんの友達をつくって、友達と世界平和をしている」

でした。

本当の目的

そう答えたものの、本当に私は世界平和をしているのだろうか?
私は適当なことを言ってはいないか?本当にやるべきことはなんなのか?
そんな想いを抱きながら、日々過ごしていました。

そんなある日、もりたまさんへ

「人生かけてやれることないですか?」

と相談をしました。そうしたら、もりたまさんから

「校長やる?」

と聞かれ

「よくわからないけど、やります」

と答えました。

まさか堀江貴文さんが出資する会社の社長になるとは思ってはいなかったのですが
なるようになるしかないと、日々どうにかこうにか過ごしています。

今は

今は暗中模索、試行錯誤の毎日ではあります。 世界平和をやっていますが、今度は
エンジニアリングマネージャーの方が片手間になってしまい、みんなに迷惑をかけました。

今は来年の体制を話しています。自分にできることが少なくなったことで
もっとみんなに頼るようになり、本当の意味でのチームビルディングが生まれそうになっています。

プロダクトオーナーへの道

こんな感じで、任せられるかどうかはもちろん判断はされてはいますが
できるできないで言えば、私にできることなので、みんなできます。
やってみよう、やろう、やりきろうと思う気持ちが大切かなと思います。

面白いと思う人には面白いです。
やりたいことと合致していることが前提ではあるとは思います。

ヒトメディアにいると、新しい事業の話がゴロゴロしていて面白いです。
興味があれば、@kenjiskywalker までお声がけください。

プロダクトオーナーに興味のあるエンジニアを募集しています🙏

「みんなで決める」に甘えるな

デザイナーのばっこです。 最近、社内の取り組みについて時間を割くことが多いのですが、ひとつ気づきがあったので共有したいと思います。

なるべく「みんな」で決めたい

僕はデザイナーという職業柄、何事もなるべく「みんな」で決めたいという思いがあります。

というのも、UIデザインをするにも、UXデザインをするにも、一人で持ち帰ってじっくり考え込むよりも、まずはたたき台を出して、様々な観点の意見をもらってから作り込む方が良いものができるという経験を何度もしているからです。

ましてや、社内の取り組みともなれば、なおさら当事者の「みんな」の意見を取り込んだ方が良いに決まっています。

「みんな」に聞くと、決まりにくい

しかし、いざ「みんな」に聞いて見ると、なかなか意見が集まりにくく、物事を決めにくいということが何度かありました。

というのも、当事者の僕だけは、自分の都合の良いタイミングで、自分の興味のある事柄について取り組むことができているのですが、みんながみんなそのタイミングでその事柄に興味があるわけでもなく、考える時間があるわけでもなく、突然意見だけを求められても困るわけです。

そういった状況は理解しているつもりなものの、実際問題そこからどう進めるべきか悩んだ結果、独断で進めてしまうことに決めたのですが、そのときにひとつ気づきがありました。

責任を背負う覚悟

独断で実行してしまおうと考えた途端に、『「みんな」の同意を得てやるわけではないのだから、実施して良かったという状況にしなければいけない』という責任が生まれました。

そこで気付いたのが、恥ずかしながら、取り組みをより良くするために「みんな」に聞いていたつもりが、実は、上手くいかなかったときの責任を分散するために同意を得ようとしている面があったなと。

「意見ありませんか〜?」と聞いてばかりで実行しないでいるのは、みんなの意見を聞いているのではなく、責任を負わずに済ませようとしてるだけでした。

自分が「こうした方が良い」という思いがあるのであれば、それをやると宣言した上でさっさと実行してしまって、その結果やフィードバックを受け入れる覚悟が必要です。

実行した上でも「みんな」の意見を聞くことはできるので、実行できない理由にしてはいけないな、そこを履き違えてはいけないなという気づきでした。

「文化祭の打ち上げのカラオケ、もちろん行くよね?」

id:kenjiskywalkerです。

最近会社であった、今後の評価をどうしていくかという話と、
それを決めていく上であった同調圧力の問題について書きます。

評価と1on1

去年の年末、VP of Engineeringの私が1on1を行いました。
それぞれのメンバーの今年どうだったか、来年はどうしてほしいか、
ということを話しました。納得感を生むために、何回も面談した人もいました。

ふりかえって2018のスタイル

blog.hitomedia.jp

今年からは、このような活動をすすめており、その中で

そもそもオレ(VP)が全員とまた1on1やるの、なんか違くない?SPOFちゃうん?

という疑問が湧いたので、どうしたら良いか仲間に聞きました。

1on1からの脱却、どうするか

VPがそれぞれのメンバーと1on1して評価、給与を決めるのをやめるにあたって
どうやって進めるのがいいか、という課題がありました。
その課題について

  • 給料を知っているのはVPだけ
  • どの人がどのグレードかもわからない
  • グレードがわからないので多面評価できないのでは?

という懸念が出てきた結果、
「グレードの公開をするべきか、しないべきか」
という議論が発生しました。

私はうれしくて、ニコニコしながらその光景を眺めていました。

個人的にはグレードの公開はまだ早いな、と考えていたいので、
この議論が起こること自体がとてもうれしく、また、なやましくありました。

グレードの公開で解決できたもの、できなかったもの

みなさん、グレード公開しちゃっても良いですか?イヤな人がいたら
SlackのDMでもトイレで相談でも廊下でも給湯室でもどこでも良いんで言ってください。

と伝えた上で、1週間ぐらい様子見て、特に反対意見が出てくることも、
批判的な声も聞こえなかったのでなかったので公開しました。

しかし、給与レンジを公開したところで、下記のような問題が残りました。

  • グレードAだが、給与レベル的にはほぼBの場合の評価の仕方をどうするか
  • グレードを上げたいけど今いくらもらっているのかわからないと評価しづらい

という課題が出てきました。この課題に対してはかなり多様な意見はあったものの
まぁ公開しても大丈夫でしょう、という内容が、その時の議論の終着点でした。

ただし、全会一致、全員でヨッシャやるぞ!という雰囲気ではありませんでした。

給与公開するか否か

結論としては、給料は公開せんでもいいでしょ。
と、オレ(VP)がして、一旦この話題は終わりました。

理由としては、公開する実験をしても良かったのですが、後戻りがしづらいのと、
一部の仲間の意見が色濃く出てしまっていたので、一旦ナシにしました。

また、グレードを公開した状態でもう少しいろいろ試行錯誤しながら進めてみて
やってみた上で、また判断しても良いかなと。
急ぎでやるにはあまりにもハイリスクローリターンだなと。

民主主義と同調圧力

この話題が終わった後に、ボソっと1人から
「給料を公開するかどうかとか、そんなことを聞かれても困る」
という話がでました。

偉い人たちから、これどう思う?って聞かれてところで
既成事実としてやる前提に聞こえるし、そこで意見を言うこと自体がつらい。
とのことでした。

それって文化祭が終わってクラスのメンバーでカラオケ行こうよ、
って誘われている圧力と一緒か?

と確認したところ、同一とのことだったので、
会議でワオワオ*1していた仲間と私は深く反省しました。

民主主義の限界

組織がいくらフラットでオープンでいるつもりでも、
多様な意見を求めているとポーズは取っても、
結局その文化や土壌がない中で、民主主義を声高に叫んでも意味がない、
ということを改めて理解しました。

もちろん、そもそも全員の意見を取り入れることが目的ではないにしろ、
多様な意見をどうすれば言えるようになるのか、その答えはまだ見つかっていません。

ただ、ないからと思考停止するつもりはなく、また今後、
文化祭の打ち上げのカラオケハラスメント的な同調圧力にならないよう、
どうすれば多様な意見を集められるか、試行錯誤しながら進んでいきます。

これから

今回は、1人の意見が、全員にとって
本当によかった、ありがたい、という空気になりました。

過去の大戦を振り返っても、全員が同じ方向を向いている、
向かざるを得なくなっている組織ほど脆いものはありません。

いかにそれぞれの意見をぶつけられるようにしているか
他の組織はどうこの課題をクリアしているのか、多様な意見の集め方、
心理的安全のある組織のつくりかたなど、みなさんの知見を知りたいところです。

チーム全員で取り組む「組織のデザイン」

デザイナーのばっこです。

僕が所属するStartup Divは、エンジニアとデザイナー20名弱で構成されるチームで、受託制作・自社サービス・スタートアップのお手伝いなど、様々な事業に携わっています。

ディレクターがおらず、エンジニアやデザイナー自身が見積もりから制作まで全て行い、個人の裁量と責任が大きいところが特徴的だと感じています。

Startup Divの抱える課題

個人の裁量が大きい反面、基本的に各案件がメンバーの中で完結するため、案件間の情報共有が薄いという課題があります。 見積もりから制作・運用までの知見が共有しきれておらず、「それ、もっと早く知ってたらな〜」事案が起こることも...。

また、それに関連してか、チーム内でも「俺たちは一体何のために働いているんだ?個人で働いているのと何が違うんだ?チームで働く意義が必要なんじゃないか?(意訳)」という意見も上がり、各自が各自の案件に向き合う以外の時間・チームのための時間を作ろうというお話になりました。

課題解決のための実験

課題の解決に向けて、以下のような実験を行っています。 毎週チームで振り返りをしながら、そのまま続けるか・改良するか・止めるかの判断をします。

取り組みを「実験」と呼ぶのは、「何事も気軽にはじめよう」というのと「きちんと失敗からも学ぼう」という意図が込められていたりいなかったりします。

1.OKRを使った目標管理

「会社・チーム・個人」が目指すところを明文化して、紐付けることで、それぞれの日々の業務の先にある、共通のゴールの認識合わせをします。

また、働く意義やそれぞれが大事に思っていることを議論する機会を作ったり、無駄な方向への努力を事前に防ぐことも目的としています。

hiromaeda.com

2.改善点のリスト化・リストの運用

「会社・チーム・個人」のOKRを達成するにあたって障害となりそうな問題を洗い出し、Github Projectにまとめて、かんばんで運用しています。

また、ここで上げているような実験も全てかんばんで管理しています。

かんばん (ソフトウェア開発) - Wikipedia

3.あらゆることのマニュアル化

案件をまたいだ知見共有のために、見積書の書き方からサーバーの運用方法まで、ありとあらゆることを社内のdocbaseにマニュアル化しています。

docbase.io

4.成長のための評価制度

OKRを立てて終わりにしないために、毎月一回同じグレード(評価上の等級)のメンバーで集まり、OKRの進捗報告やフィードバックをすることで、お互いの成長に貢献します。

5.斧を研ぐ日

改善リストやマニュアルを作って終わりにしないために、毎週金曜日に振り返りの機会を設けています。「木こりのジレンマ」になぞらえて「斧を研ぐ日」と呼び、チームの会議なども集中的に入れています。

先に時間を確保しないことには、「重要だが緊急でないこと」をやる機会はきません😑

testerchan.hatenadiary.com

などなど…

おわりに

最近読んだ「現場論」にも、ただ「行動を起こす」ことはどこの現場でもやっていて、その取り組みを仕組みに昇華できるかどうかが、良い現場で悪い現場の差だ、みたいなお話が書いてあったので、良い現場になれるよう精進して行きたいと思います💪💪💪

大半 の 企業 の 現場 力 強化 の 取り組み は、 たんなる「 活動」 で 終わっ て しまっ て いる。 それ に対して「 非凡 な 現場」 の 活動 は、 時 を 経 て「 組織 能力」 にまで 昇華 さ れ て いる

遠藤 功. 現場論―「非凡な現場」をつくる論理と実践 (Kindle の位置No.1747-1748). . Kindle 版.